MyForrest 2009/03
Angel+Dive 1〜3


いろいろなところでいい評判を聞いていたので読んでみた。

十文字青の作品は薔薇のマリアの1巻を読んだことがあっただけだったので、とても驚いた。
薔薇のマリア1は確かにいいものは感じたが、あまりにも突っ走りすぎていてちょっとついて行けなかった。
当時多かった若さの勢いで突っ走る作品の一つに思っていた。

しかし、これはどうだ。
落ち着いた静かな語り口。
地に足のついた描写。
確かな、そしてキャラごとのかき分けの巧みな内面描写。
安易さをまったく感じさせない。

素晴らしい。
こんな作品の描ける人だったとは。

すみません、十文字青なめてました。

あらすじだけ見ると異能バトルものみたいだが、ほとんどバトルは出てこない。
むしろ各登場人物の心情の変化を、降り積もる雪のように淡々と積み重ねているのが非常に印象的。

ラストの展開は確かに驚きだが、ちょっとそれまでの流れからすると唐突な感じもする。
1巻2巻で話の中心だった、トワコや真鳥姉妹、黒雪と言った面々が次々とフェードアウト。
夏彦も先が見えないまま、急速に春と桜慈が話の中心に。
うーん。
今後語られることかもしれないが、ちょっと消化不良な感じがする。

ところで1巻の夏彦視点の部分を読んでいて思い出したのは中村恵里加のソウル・アンダーテイカー
淡々と白い心理描写、あまりに無垢な主人公。
静かな狂気と現実の残酷さ。
悲しい優しさ。
そのあたりが似ているのかも。
二人とも欠損を抱えているのだけど、夏彦が感情面が欠けているのに対し、ソウル・アンダーテイカーのヒロは知能面が欠けているのは大きな違いだけど。
ソウル・アンダーテイカーも奇跡の作だと思うけど、続きは読めないだろうなあ。

どうでもいい話だけど、ソウル・アンダーテイカーの話をするときによくヒロがバカって言われるんだけど、なんかつらい。
そこらの人間が、あの子をバカって言っちゃいけないと思うんだ。

| 読みました > ライト・ノベル | comments (0) | trackbacks (0) |
1/1