MyForrest
<< 黄色い花の紅 | Main | 輝かしい、とおい、あの日 -Sweet Blue Age- >>
アークエンジェルプロトコル
4150115818アークエンジェル・プロトコル
ライダ モアハウス Lyda Morehouse 金子 司

早川書房 2006-09
売り上げランキング : 17567

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


電脳ハードボイルドものは好きなので思わず買ってしまったが、結構面白かった。
あまり新鮮みのないサーバーパンク+ハードボイルドをフレームにして中には宗教がらみとロマンス(狭義のというか、ハーレクインぽいやつね。あんな露骨なのじゃないけど)が詰めてある。

数十年前の大規模戦争を機に神権制に移行したアメリカ。
主人公の女性は警察官で腕利きのネットワーク犯罪捜査官だったが、パートナーがカトリック教皇を警護中に暗殺してしまうという事件を起こしたとばっちりで、免職の上破門に。
現在のアメリカでは何らかの公認された宗教に属していないと市民権もないため、破門された彼女はにリンク(サイバーパンクにつきもののあれです。脳を直接電網につなぐネットワーク)に接続することもできなくなり、細々と私立探偵をして暮らしている。
そこへマイケルと名乗るハンサムが仕事の依頼に現れる。
彼の依頼とは最近リンク上で目撃されている「天使」が偽物であると証明すること・・・

ハードボイルドとサイバーパンクは定番の組み合わせだし、サイバーパンクと神は相性がいい。
そういった意味では何も目新しさもないし、知的興奮というのとはほど遠い作品だと思う。
宗教がらみの話にしても、結局ロマンスの種にしたかっただけだじゃないだろうか。ちょっと刺激にはかける。
その分無理のない各要素の融合具合が心地よくてついつい先を読みたくなるかな。
電網ハードボイルドと神学の皮をかぶった、ロマンス小説だと思う。
なんでこれがアメリカ私立探偵作家クラブ賞をもらったのかは、よくわからん。

面白かったけど今ひとつ感情移入できないのは、神様やら天使やらが実在して当たり前みたいな空気のせいかな。
だいたいの日本人にとっては(特に一神教的な)神様も天使も魔王もドラゴンも実在感としては似たようなもんだよね。
ダヴィンチコードとかでも、キリストの子孫が生き残ってる?ああ、普通にあるんじゃない?、とか思っちゃわない?
何をそんなに騒ぐの?って

そんな日本人の宗教オンチは欠点でもあるけど、長所でもあると思う。
昨今の宗教対立を根に持つ世界的な緊張に、日本の果たすことができる役割は大きいはずと思うんだけど、日本政府はどうもダメだね。
| 読みました > その他の本 | comments (0) | trackbacks (1) |
コメント
トラックバック :
http://myforrest.x0.com/sb/sb.cgi/91
アークエンジェル・プロトコル | Type5w4のBook Diary | 2008/01/20 12:30 AM
アークエンジェル・プロトコルキーワード: ライダ・モアハウス、電脳空間、ハッカー、ハードボイルド、リンク天使ハードボイルド、SFファンタジー小説。あらすじを以下に抜粋。2076年、元ニューヨーク市警の刑事で、いまはしがない私立探偵のわたしは、その依頼に愕然と....