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宇宙クジラの歌を聴く 〜クジラのソラ〜
4829118628クジラのソラ 01
瀬尾 つかさ

富士見書房 2006-09-20
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圧倒的戦力で地球人類を降伏させた異星人が、人類に課したのはひとつのゲーム。
異星人のテクノロジーにより人工的に作り出された閉鎖宇宙のなかで、三人一組のチーム同士が艦隊を動かし競い合う。
その優勝者の身柄と引き替えに、所属していた国には異星人の技術が「おみやげ」として引き渡される。
競い合う各国のチーム。
そしてそのゲームの中に稀に生まれる「アウターシンガー」と呼ばれる異能。
彼らは宇宙でクジラの歌を聴くという。
そしてその歌を聴くものは、ゲームにおいて卓越した能力を示すと同時に、意識を捕らわれてしまう。
さらに人類にコンタクトをはかる第2,第3の異星人達。
そういった状況の中、兄を追いかけてゲームに挑戦する主人公雫と仲間達・・・

とてもピュアなSFの匂いを感じさせる作品。
とくに目新しい設定などはないのですが、異星人の目的とは?アウターシンガーとは?宇宙へ行った優勝者達はどうなったのか?などなど、非常に広がりを感じさせる内容で、久しぶりにライトノベルSFでわくわくしました。

兄の背中を追いかける主人公の雫。
少年ながら天才メカニックとして二度も優勝チームに参加するが、メカニックであるため宇宙へ連れて行かれず取り残された聖一。
聖一の従姉妹で聖一と同じくゲームで両親を失った冬湖。
人間離れした反応速度でアウトシンガーをでも止められない突撃戦術「ジャベリン」の使い手智香。
これら4人のチームメイトを中心とした人物配置も無理がなく、文章もバランスがよくてさわやかに読めます。

ただSFとならんでもう一つの柱であるスポ根の方はちょっと弱いかな。
練習とかゲーム外でのシーンはわりとスポ根しているところもあるんだけど、肝心のゲーム中のシーンがいまいち盛り上がりに欠ける。
スポ根的な試合シーンって登場人物のハートの盛り上がりと試合の盛り上がりのシンクロがポイントだと思うんだけど、肝心の所で説明的になりすぎてトーンダウンしてしまっているところがあると思う。
またゲームがちょっとTVゲーム的に描かれすぎているのも、いまいち盛り上がらない原因かも。

またアウターシンガーの描写も物足りないかな。
特に2人目のアウターシンガーが覚醒するシーンなんか、もっと枚数使ってやっていいと思う。
あそこが今巻のクライマックスでしょう。
クジラの歌が聞こえるとか言う辺りとか、もうちょっと描写して欲しかった。
また、ゲーム中のアウターシンガーが単にちょっとゲームが強い人にしかなっていないのも残念。
人間の意識を作り替えてしまうほどの強烈な体験、世界の認識がかわり思考速度が加速されるというその変化を、理屈の説明じゃなくて見せて欲しかった。

SF的な広がりを見せる展開で次が非常に楽しみな作品です。
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クジラのソラ 01 | ライトノベルっていいね | 2006/10/21 10:11 AM
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